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【寸法線】
AutoCAD初心者にとって特に解りにくい作業のひとつに寸法線があります。寸法スタイルを作成しないで、初期設定のまま寸法線を配置してもうまく表示されません。
初期設定の寸法線 例えばインストール直後のAutoCADを起動して1000×1000の長方形を作成し、初期設定で選択されている"ISO-25"という寸法線を配置したのが、下図赤色で表示されている線です。
寸法値も見えなければ、矢印なども見えません。AutoCADで寸法線を配置するには、まず書きたい図面に合わせた寸法スタイルを作成する必要があります。
寸法スタイルの作成 寸法スタイルを作成するには"注釈"パレットから下図の赤枠アイコンをクリックします。
寸法スタイル管理 ダイアログボックス 寸法線のスタイルを作成、修正、設定等をする管理ダイアログが表示されます。 初期設定では[Annotative]、[ISO-25]、[Standard]という三つの寸法スタイルがありISO-25が"現在"に設定されています。しかし初期設定のスタイルはこのままでは使い物にならない事が多く、文字の大きさ、小数点、配置、矢印など色々な設定が必要になってきます。
スタイルの作成 自分の図面に合わせた寸法線スタイルを作成するには、ダイアログボックスの右メニューから新規作成をクリックします。 ここでの大きな選択として"異尺度を利用する・しない"があります。異尺度は別のページで説明することにして、ここでは"異尺度を利用しない前提でスタイルを作成していきます。※[異尺度対応]についてはレイアウト印刷における異尺度設定で説明しています。
例えば、[テスト]という名前のスタイルを作成することにします。下にある開始元というのは参考にしているスタイルを指します。ここではISO-25というスタイルがベースになっています。"続ける"をクリックします。 寸法スタイル設定のダイアログが表示されたと思います。 設定後に寸法スタイル設定を終了させるには[OK]をクリックします。更にスタイル管理を終了させるには[閉じる]をクリックします。
寸法スタイル設定 スタイル設定には7つのタブが表示され、それぞれに寸法線に関する詳細な設定ができるようになっています。
(1)フィット 図面の縮尺にあわせた設定ができます。 ここで一番重要なのが"寸法図形の尺度"となります。ここでは異尺度を使用しない前提で説明していますので[全体の尺度]を設定する必要がでてきます。 これは簡単に説明すると、寸法線の文字の大きさや、矢印の大きさがどのように見えるかの設定です。例えば1000×1000の四角のオブジェクトを作成した場合に、この四角形の縮尺が1:10なのか、1:50なのかを考慮する必要があるという事です。更にいうとA3用紙で出力されるのかA4用紙に出力されるのかによっても考慮する必要がでてきます。 自分の作成している図面に合わせた設定が必要になります。ここではA4用紙に1:50の縮尺の図面を作成する条件で説明していきます。
※参考(下図がA4用紙の1:50縮尺に1000,1000の四角形を書いた図です。赤線が用紙の大きさになります。)この状態で寸法線がバランス良くみえるように作成します。 ここでは"全体の尺度"を[50]とします。下図左側は設定なし、右側は"50"に変更した場合です。
フィットの[全体の尺度]を設定するだけで、それなりに寸法線が見られるようになりました。フィットタブのその他の設定については、だいたい読んだ通りの設定ですの問題は無いと思います。
(2)寸法線 寸法線に関する細かな設定ができます。色、線種、線の太さについては説明の必要も無いと思います。
並列寸法の寸法線間隔 上の設定では"10"となっています。フィットの項目で[全体の尺度]を"50"としていますので"10"×"50"="500"となります。 これは並列寸法を作成した場合、自動的に配置される下図の①、②の間隔のことで、"500"の間隔となっているわけです。
寸法補助線 寸法補助線とは下図の赤線の部分です。
補助線延長長さ 下図の赤線の部分で上の設定では"3"となっています。フィットの項目で[全体の尺度]を"50"としていますので"3"×"50"="150"となります。
基点からのオフセット 下図の黄色丸部分のことで、上の設定では"2"となっています。フィットの項目で[全体の尺度]を"50"としていますので"2"×"50"="100"となります。
(3)シンボルと矢印 矢印 例えば上の設定の場合は下図の様になります。
(4)寸法値
寸法値の表示 文字スタイルで作成してあるスタイルを選択できます。寸法用に文字スタイルを作成した方が使いやすいかもしれません。 文字の高さは、文字スタイルで文字の高さが"0"になっている場合は、寸法スタイルの文字の高さ2.5×50="125"の高さになりますが、文字スタイルで高さが0以外に設定されていると文字スタイルの高さが優先されます。(と思います。) ※少し分かりにくい表現ですが、①寸法スタイルにある"文字の高さ"と②文字スタイルに設定されている"文字の高さ"とが二つあるということです。
寸法値からのオフセット 線と寸法との間隔を設定します。
(5)基本単位
寸法値の表示 精度 小数点以下の表示を設定ます。
計測尺度・接頭表記・接尾表記に関しては寸法値の表示形式で詳しく説明しています。
(6)変換単位
変換単位を記入 例えば上の設定をした場合は下図の様な表記になります。
(7)許容差
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※Autodesk、AutoCAD、AutoCAD LT、DWG、DXFは、米国およびまたはその他の国々における、 |
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